稲庭うどんの最大の特徴である
【しなやかなやわらかさ】と【コシの強さ】。
それを生み出すための大切な作業です。
毎朝、5時、生地を練るところから始まります。
厳選した小麦粉、塩、水を全体的に
混ぜるために、1分程機械にかけますが、
混ざったら、あとは完成まで全て手作業になります。
混ざった生地を、足踏み、手捏てごねで練って、
熟成させて、を4回ほど繰り返します。
生地を平らに薄く延ばし、
細く一定の幅に切り揃えていきます。
生地に包丁を入れるのは、この一度だけです。
切ったものを、夕方まで熟成させてから
「小巻」という作業に移ります。
手綯いをするため、切ったうどんを
指の大きさ程度に細く延ばしながら、
鉢に渦巻き状に巻いていき、一晩置きます。
一晩おいたものを、翌日、熟練した職人の手によって、程よい口触りの細さに綯いながら8の字に棒にかけていく作業です。
生地に依りを加えることで、
コシが出て、稲庭うどんは切らずに延ばしていくので、
表面はツルツルのままなので、
食べたときの食感がツルツルの食感に。
一日の作業のうち、3時間が手綯いの仕事ですが、
生地は加水率が高いほど美味しくなるため
自前の生地は柔らかすぎて、機械に通せません。
40センチほどに延ばした後、麺棒で平らにつぶし、
なめらかな口触りにします。
絢った生地は断面が丸い状態なので、
平麺にするために、ローラーで潰す作業に入ります。
4分ほどでゆで上がるような、潰し具合に。
潰しすぎると3分ちょっとでゆで上がってしまったり、
潰さないと5分近くかかったり。
毎日、少しずつ生地の柔らかさも違うので、
力加減が難しい。
一気に下まで延ばすと、上部に付加がかかりすぎて、上下で 太さが変わってしまうため、5分くらい置いてから下まで延ば します。熟成度をみながら、約150cmの長さまで伸ばし、少しずつ乾燥させていきます。
乾燥するまでに約2日間かかるのですが、延ばしてから1~2時 間は特に気遣いが必要で、乾燥ムラや、うどん同士の結着がおきないよう手が離せません。天井のプロペラも、その日の状況 によって調節。早く乾燥してしまうと、途中で切れてしまうため、丸2日くらい乾燥させ、そのあと、本乾燥させていきます。
外気を入れたりしながら、一昼夜自然乾燥させ
うどん全体の水分を均一にしていきます。
夕方5時~朝にかけてじっくり約14時間かけて本乾燥。
夕方5時、夜9時、そして朝5時に温度、湿度、麺の水分、その日の気温をこまめに記録。38°Cほどの温度を保ち、じっくり乾燥させます。
全ての工程で、生地の熟成具合を職人が肌で感じながら生地と対話しながら仕上がりへの工程を進めます。
本乾燥が終われば、裁断、選別、梱包して完成です。仕込み から仕上がりまで4日間を要します。「上質なもの」稲庭うどんの仕上げには、手間暇は惜しみません。